毎日ボーナスタイム vol.1<みうらかな> 「贅沢」という言葉を聞いた時に、いちばん最初に何を思い浮かべるだろうか。鉄板でジュウジュウ焼く大きな牛肉、まんまるのお月さま、羽毛のお布団、カプリコの上の部分、とか。座るとしずんでしまうソファ。煎った銀杏。美容室でいちばん高いトリートメント。真っ赤なペディキュア。 あとはやっぱり、とっておきの音楽と出会う瞬間だと私は思う。 高校生の時は音の大きなうたが好きだった。そのほうが堂々として見えるし、よく目立つ。学校で流しても盛り上がるし、楽しい気分になる気がした。 隣のクラスの仲のよい友達はバンドを組んでいて、よく地元のライブハウスに出ていたけれど、やっぱり共演していた同世代のバンドもみんな音が大きかった。そしてずっとキラキラしていた。...24Jan2018vol.1毎日ボーナスタイム
なつたろうの思い出 vol.1<藤岡なつゆ>「背中の記憶」 タイトル「背中の記憶」は、長島有里枝さんの短いエッセイである。長島さんが恵比寿駅から、リムアート(現在はPOST という店名となっている)という美術・写真作品集を専門に扱う本屋に向かうところから話は始まる。迷いながらもようやくたどり着いた店内で、アンドリュー・ワイエス(1917–2009)というアメリカの画家の展覧会カタログを手に取る。ワイエスの絵は実に写実的で髪の毛1本1本の動きから風の流れが見えるようなまさに写真のよう。こちらを向いているモデルの視点は遠く、どこか物悲しく、空気の温度が低いよう感じてしまうワイエスの絵に長島さんが引き込まれたように、私も同様だった。 私が初めてワイエスの絵に出会ったのは、2008 ...17Jan2018vol.1なつたろうの思い出話
雑念エンタテイメント vol.1<もーにんぐしー>●ビールと私いらっしゃいませー。ご注文どうされますか?あ、じゃあとりあえず生中ください。やっぱ金曜の仕事終わりに飲むビール最高!を3年4か月続けて退職。ベトナムで入ったバーで超可愛いお姉さんになにがおススメですか?と聞いて出てきたフランスのビールDesperados はテキーラ入りシトラス系の香りがするビールでとてもおいしかった。今度の週末空いてたらご飯でもどうですか?じゃあクラフトビールが好きなんで置いてるお店に行きたいです、が鉄板の返し。20 歳になってから、私の人生はビールとともにあるということでしょうか。自己紹介ですが、お酒が好きです。・・・・・・・・●レモンサワーとチャットモンチー。私は居酒屋で女子力発揮せねばと思ったとき...17Jan2018雑念エンタテイメントvol.1
上沼優二郎(FOOLA)の 感受性応答セヨ! vol.1<上沼優二郎> 某月某日、俺は夜道を一人歩いていた。 最寄り駅への終電を逃し、電車で行ける所まで行ってそこからは徒歩で帰る事にした。そこは中学校の頃に自転車でよく来ていたから帰り道も問題ない。ただ一時間半歩く、という事以外は。 まずは駅の近くのコンビニで350ml の缶ビール二本を旅のお供にする。本当は500ml がいいのだけど歩きながら飲むと炭酸が抜けてしまってマズくなるから早く飲み切れるサイズに。二本じゃ一時間半の帰り道には当然足りないのだけど、先々のコンビニの位置も把握済みなのでそこで冷たいビールを新しく買うって作戦だ。深夜に音楽を聴きながら歩いているとまるで世界に自分と音楽だけになったようでとてもいい気分になるんだよなぁ。 DJ オレ、そ...10Jan2018vol.1上沼優二郎(FOOLA)の 感受性、応答セヨ!
イケず旅暮らし vol.1 <村上大輔>初対面の人や、あまり関わったことのない人に「色んな所に旅とかしてそうですよね」と言われることが少なくない。 ひげヅラ、濃い顔、くたびれた服、そんな第一印象が世の人に"旅人"のイメージを与えてしまうのだろうか。自分で言うのもなんだがサービス精神が旺盛な方なので、そんなことを言われるたびに「いやあ、全然行ってないです」と答えるのがとても忍びなく感じる。本当なら今まで行った国名をズラッと並べ(この場合東南アジアや南米などがベストだろう)、身にふりかかったハプニングや武勇伝を面白おかしく話してやるべきなのに。しかしそんなことができるはずもなく、ただの都会暮らしの不精者であることを相手に伝える度に心が痛むのだ。「雑誌を作りたいと思っ...17Dec2017vol.1イケず旅暮らし
散歩する、素晴らしき哉、おいしい生活 vol.1 <umihayato>2017年11月9日3日ほど前、うたたね小野雄大から「ZINE を作るから映画のコラムを書いてくれ。千円で。22日までに。」という半ば強制的な依頼を受けてこれを書いている。 うたたねには重ね重ね恩がある。これは断れない。「おっけー!」とは言ったものの、 LINE を閉じて最初に思ったのは「ZINEってなに?ジン?フェスで売ってる瓶のお酒?」ということでさっぱりだったのですが、調べると小冊子だとのこと。「紙に・・・なるのか。」 実は11月初め、映画好きの友人と平日昼間から9時間ほど呑み続け ( 隔月開催の映画呑み)、大層な映画論をおっ立て、「おまえ、文章書け。紙に残せ。」と言われた。導きとしか思えない。僕は、「後世...17Dec2017vol.1散歩する、素晴らしき哉、おいしい生活