はじめてのライブハウス umihayato編

 今回はお題をいただきまし た。「自分とライブハウス」この冊子の執筆者は全員大なり小なりライブハウス中毒者でしょうから、他の記事を読むのも楽しみです。読んでいるあなたもこれを手に取っているということはライブハウスに来ている(はず)。今日が初めてという人は、緊張して階段を降りたり上ったりして防音扉を開けたはずです。

 僕は自分が友達に誘われるままバンドを始めるまでライブハウスというものを知らなかった。ライブといえば大きなホールや競技場でやってるような、どメジャーアーティストのものでしか行ってなかったし、バンドシーン、ライブハウスシーンにこれといった憧れもなかった。正直はじめて行った時は「ちっさ。」と思ったくらいだった。

 そんな僕もライブハウスに行き始めて十数年。なにがどうしてこんなことになったのか。高校で居場所を探して転がり込んだバンドの世界。あの川沿いの溜まり場、初めて行ったスタジオ兼ライブハウス。タバコ吸ったり酒飲んだり喧嘩したり夜中まで外で話したり。いまでも眩しく思ってしまう。

 ライブハウスに憧れてもいなかった。生のライブが最高に楽しいとも思っていなかった。しかし何故かあの時の記憶は一生なくならない気がする。

 簡単に言えば青春だった。ライブハウスは僕にとって青春だったし、外の世界との関わりだった。そこでしか会わない友達。そこでしか関わらない種類の人達。こでしか語れない話。

 「生の音楽が・・・」などの美談でライブハウスを語る気はない。自分の足で初めて見つけた自分がいてもいい場所だった。今、関わりが続いている人たちも、もとを辿れば出会いはライブハウスだ。もちろんそこから音楽の裾野が広がったことも事実で、いろんな音楽のかたちも知ることができたし、どんな予定をパスしてもライブハウスに観に行くようなバンドも見つけることができた。音楽生活は無限に豊かにすることができる。

 今はストリーミング配信も急速に広がったし、掘ろうと思えばいくらでも掘って掘って掘りまくり、日本にCDなどが置いていない海外のバンドの曲なども聞くことができる。その気になれば海外にライブを見に行くこともできる。そうして自分の足で稼いだ音楽+ α が僕たち音楽好きの生活の柄になっていくと思います。

 うまくまとまらないですが、今夜はこのへんでお開きということで。でわ。

▼umi

umihayato が所属していたバンド。残念ながら現在はギターを弾いている姿は中々見れない。

DRAGON FRUIT

シンガーソングライター小野雄大が企画するZINE「DRAGON FRUIT」のホームページ。